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- INTERVIEW - CAD/CAMと総合型ソフトRomexis 院内運用術
実際に長らくプランメカを愛用されているドクターに、購入についてのメリット、CAD/CAMを用いた治療のコツなどをお聞きしました。
― この度はインタビューを受けて下さりありがとうございます。小島先生はプランメカ社の製品を長年愛用されていると伺いました。読者の皆様へ先生ご自身やクリニックについて簡単に教えて頂けますでしょうか。
東京都江東区有明で開業しており、14年目になります。チェアーは5台あり、常勤・非常勤含めスタッフが10名ほど、非常勤Drが複数名おります。自分は主に一般歯科(保存・補綴・外科)を担当しており、インプラント治療も行います。上顎洞サイナス手術など骨造成を伴う難しい手術は口腔外科医と連携して施術しております。
― 小島先生はプランメカ社のCAD/CAMシステム(以下FITシステム)を始め、高性能CTレントゲン(以下Viso)などを導入されていると伺いました。どれくらいの期間、使用されていますか?また、購入に至った経緯を教えてください。
2016年にミリングマシン(プランミル40S)と口腔内スキャナー(プランスキャン)導入、今年にミリングマシン(プランミル30S)と口腔内スキャナー(Emerald S)に機種変更しました。購入前から院内完結型CAD/CAMシステムに興味があり、以前に勤務医としてお付き合いがあり、公私ともにお世話になっている、北原信也先生よりプランメカアカデミー(※注1)のお誘いを受け参加したのがきっかけで、FITシステムを導入しました。
上記アカデミーでプランメカの魅力を知り、2016年の初参加以降、コロナ禍中止となった2020年まで毎年楽しみに参加させていただきました。レントゲンについては、2008年開業当初導入したのがProMax 2D(セファロ付き)でした。インプラント治療を一から教えてもらっている大学同級生の木津康博先生の医院にも導入されており、それがきっかけでした。2011年にProMax 3Dにアップグレードし、2021年にはVisoへ機種変更しました。
購入のきっかけは、2016年プランメカアカデミー出席時に、プランメカが考えるデジタルソリューションの集大成であるレントゲン機器を開発していると聞き、それが発売されたらぜひ購入したいと思っておりました。また口腔内スキャナー(Emerald)も同アカデミーにて、試作品を手に取り、スキャンスピードの速さに驚いたことがきっかけです。
※注1︙プランメカアカデミーとはフィンランドにあるプランメカ本社を訪問するツアーのこと。オフィス内、製造現場を見学し、最高水準の研究開発を体感できる、大好評のツアー。終了後は、プランメカクルーザーでフィンランド湾を一周、プランメカ社別荘でフィンランド式サウナやフィンランド料理が提供されます。
― FITシステムは普段どんな用途に使用されていますか?また、お気に入りの機能などあれば教えてください。
保存修復治療【In・On】と補綴治療【Cr】がメインです。Inではワンデイトリートメントも可能です。当院は院内技工士も在籍しておりますので協力しながら施術しております。FITシステムはオープンシステムを採用しているので外注技工も可能です。院内で削ることができない材料などは、CADデータ(STL)を技工所に送り製作しています。Viso(高性能CTレントゲン)を導入してからは、口腔内スキャナーのデータとマッチングさせてインプラント手術にも使用しております。
また、プランメカ社口腔内スキャナー(Emerald S)には、静止画を撮れる機能もあるのでカリエスなどの撮影を行い患者説明に使用しております。
― FITシステムを院内に導入するにあたり、日々の診療フローが大きく変わることが不安に思われる方も多くいると伺います。導入前のイメージと、導入後ではギャップはありましたか?
今までのルーティンワークを変えるのは、自分も戸惑いを感じました。スタッフも同じだと思います。患者様に口腔内スキャナーで採得した画像を撮影後見せると多くの方が驚きます。最新医療を提供されるのを嫌がる患者様は少ないと思います。FITシステムでは機能的で審美性にすぐれた補綴物を製作できますので、スタッフが患者さんに対して、院内で製作していることに自信をもってお話できる事が増えました。結果として、金属の詰め物についての相談を、自然と受けるケースも増えたように感じます。
最近では保険で白い詰め物にできることを知り、患者様から積極的に依頼されるケースも増えました。当初は月10本を目標にしていましたが、気付けば月平均25本になりました。最初は慣れるまで時間がかかると思いますが、時間が解決してくれます。歳を重ねてくると新しい機械を覚えるのは大変ですが、今はスタッフと楽しく仕事できており、患者様の喜ぶ笑顔も拝見できて、導入して良かったと感じています。
― 口腔内スキャナー(Emerald S)の導入により作業時間の短縮につながるとご評価をいただくことが多いです。小島先生のクリニックではいかがでしょうか?
通常セラミック作製を外注した場合と比べ、口腔内スキャナーでは、石膏模型作製・技工用スキャンがなくなり作業時間を短縮することができます。印象採得ミスによる時間的なロスもなくなります。またスキャナーの利点として、レジンコーティングなどがマージン付近に残っていた場合に撮影時に分かるので、再形成が容易にできます。
これによって適正な補綴物を製作することができます。加えて、院内加工機を導入している場合は納期短縮と回転効率効果があると思われます。
― 導入後に患者様やスタッフ様からの反響はありましたか?
患者様は口腔内スキャンを見て驚く方がほとんどで、最先端の医療提供を感謝されることが多いです。スタッフからは、プランスキャンはモノクロ画像でしたので、Emerald Sに変更後、カラー表示となり見やすくなったと言われます。スキャンスピードと咬合採得の早さや、余分な舌の写り込みの自動処理と、以前は消しゴムで消していたので画像処理の能力の進歩にも驚いておりました。
― コストについてお伺いしますが、FITシステムは980万円(※注2)から購入が可能です。その投資金額に見合う収益や効果は挙げられていると感じますか?
980万円で購入し全額リースした場合、月10~12本以上製作すれば利益が上がると感じています。2016年にFITシステム導入の際、ものづくり補助金(※注3)を利用しました。
ものづくり補助金を利用すれば機器投資時に持ち出しが少なくとても良い制度だと思いますので、これから導入お考えの方は是非チャレンジしてみてください。
※注2 ︙ 2022 年10月1日より980万円に値上げが実施された
※注3︙ものづくり補助金とは、日本国内に本社及び補助事業の実地場所を有する中小企業を対象にし、新サービス開発・治療プロセス(生産プロセス)改善等のための設備投資に対する補助金です。投資金額の最大3分の2に対して補助されます。フィードでもサポートを実施中。
― プランメカ社の製品のほぼすべてにおいて、“Romexis”というソフトで操作や管理が可能です。使い心地について教えてください。
Romexisは “ One software for all “のコンセプトのソフトウェアであり、単にCTやパノラマ、CAD/CAMを操作したり、取得した画像を閲覧するだけのためのビューワーではなく、プランメカ社の機器から取得したデータ、または他社の機器からインポートしたデータを利用して、診査診断から治療のシミュレーション、補綴装置のデザインまで行える、オールインワンソフトウェアです。これは他社のソフトなどにはない、大きな特長だと思います。機能が豊富で全てを使いこなせてはいませんが、簡単操作で臨床の幅が広がりました。
― 小島先生はプランメカのFITシステムとレントゲンを組み合わせて、インプラント治療などに活用していると伺いました。その際、具体的なRomexisの役割やメリット、使い心地など教えてください。
Visoを導入してからは、インプラント手術を行うためのプランニングなどにも使用しております。具体的には欠損歯列部と欠損補綴部Waxup模型をEmerald Sにてスキャン後、Romexisソフト内でCTとマッチングさせます。そして、インプラント埋入ポジションをプランニング。そのデータを技工所に送り、3Dプリンターにてサージカルステントを作製します。以前はインプラントメーカーのガイドソフトを利用しておりましたが、Romexisソフト内で全てできるのでコストを抑えることができました。
― Visoのお気に入りの機能などあれば教えてください。
Visoにはウルトラロードーズモード(超低線量モード)があり、患者様に対する実効線量を最大で77%削減できる機能です。主に、お子様の治療などに使用しております。30×30㎜~300×300㎜以内なら撮影範囲の無段階調整が可能のため線量を制限できます。また気に入っている機能として、メタルアーチファクトの削減を撮影中に使用でき、鮮明な画像を素早く見ることができる点や、CALM(Crrection Alogorithm for Latent Movement)という機能があります。
3D撮影の際に体動を補正する機能で、患者様が動いてしまっても再撮影する必要はありません。
お子様や高齢者・パーキンソン病の症状のある患者様にも便利な機能です。先にお話ししましたがインプラントのプランニングが行える機能もありますので、CT撮影後、その場で患者様にもお話しでき効率がいいです。セファロ分析ソフトも入っており、矯正医に依頼する前に分析して、状態を確認することもできます。加えて咬合高径を決定する際の参考にも使用しており、とても便利です。
― メンテナンス状況についてはいかがでしょうか?
プランメカ社の良いところは年に数回より良い環境で診療できる様、PCのバージョンアップを実施してくれるところです。またトラブル時も迅速に対応いただいております。ミリングマシンについては、消耗品の交換時期を機械が知らせてくれます。ですから日々行うメンテナスは比較的楽だと感じております。また口腔内スキャナーは、先端が取り外しでき滅菌できるので衛生的です。
― たくさんお話いただき有難うございます。
小島先生には2023年1月19日でウェビナー登壇(※注4)をお願いしています。読者に向けて、一言お願いできますでしょうか。
口腔内スキャナーやCAD/CAM機器には興味があるけど、買い時はいつなのかお悩みの先生は多いかと思います。令和4年4月よりCAD/CAMを用いたインレーも保険収載され、今後、口腔内スキャナーでの印象採得が保険収載されることも考えられます。
その時に備え「今」お考えになってはいかがでしょうか。
※注4:この記事は2022年12月時点のものです。
使用機器

口腔内スキャナー:
プランメカ Emerald™S
定価350万円(税別)

ミリングマシン:
プランメカ PlanMill® 30 S
定価630万円(税別)

CTレントゲン:
プランメカ Viso®
定価3,250万円(税別)
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