私の歯内療法のメンターであるロサンゼルスで開業の清水藤太先生が主催しているUCLAエンドメンターシップで教えていただいた、ステンレス製ハンドファイルの番手の小さい#08・#10ファイルをエンド用コントラに装着し行う、穿通、およびペイテンシーファイリングは、私の日常臨床を大きく変え、解剖学的湾曲に沿った根管拡大・形成をスピーディ且つストレスなく可能にした。しかしながら、使用するステンレス製ハンドファイルの本数も増加、高価な大手メーカーのステンレス製ハンドファイルを1回で使い捨てにする時、忸怩たる思いを持っていたのも又事実である。
フィードで販売している安価なステンレス製ハンドファイルを安かろう悪かろうと思っている先生方も多いのではないか? もしそうなら良い意味で期待を裏切ることになるかもしれない。ご存じのようにエンド用コントラは回転運動ではなく上下運動を行う。ファイル先端にかかる力は横方向ではなく縦方向であることから、ファイルの破折(ねじ切れ)は起こりにくい。先端の屈曲・伸展は番手の小さなものなら全て起こるが、安価なファイルであれば単回使用でダメになったとしても躊躇なく破棄、新しいファイルに交換してもそのコストは大いに削減できる。屈曲したファイルを指で真っすぐに戻し伸ばす時間もコストであると認識するなら、更にそのファイルには血液や感染歯質が付いているということをリスクと認識するなら、この[気軽に交換]ハンドファイルは我々日本のGPにとって多大な貢献をすると思っている。
[気軽に交換]DA ダイヤモンドバーから始まったフィードの挑戦は、伝説の階段を登り始めたと言ったら少し大げさであろうか…。