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歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます 本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、 多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。
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9月に開催される日本歯科医学会学術大会のテーマは、「逆転の発想 歯科界2040年への挑戦」とある。その中にキーワードは2つあり、一つは「何を逆転させるのか」、もう一つは「2040年はどんな世界なのか」である。
これまでの歯科医療を振り返れば、「欠損との戦い」であったと感じている。常に、目の前にカリエスや歯周病による歯や骨の欠損があり、それらをいかに元の状態に戻すかを、多くの方々の叡智によって実践してきた。「痛くなければ歯科医院には行きたくない」と言っていた患者も、今では「予防してほしい、クリーニングしたい」と歯科医院に訪れるようになっている。
そのような時代の変化の中で「逆転の発想」というなら、「欠損がない」時代の歯科医師の役割を問う、に尽きる。日々の診療において「タービン」を持たない歯科医師が一体何をすれば良いのか?今から、みんなで考える時が来ている。
厚生労働省の統計を見れば、国が「歯科医師」をどのように考えているのかが何となく透けて見える。●図表1は、厚生労働省HPにある厚生労働統計(2.保健衛生)を参考に作ったものである。診療所で働く歯科医師数の年次変化を示しており、東北大学平成3年卒で現在56歳の私は、青の欄(1998年20539人)の一人である。表から明らかなように、黄の欄と青の欄が最大層であり、それぞれの層は、10年ごとに確実に引退へと進んでいる。
一般に考えても、70歳を超えたら、流石に週5日フルタイム勤務する歯科医師は大幅に減るに違いない。2018年70歳以上9656人に対し39歳以下16718人なので、引退による歯科需要を若手が十分に担える。しかし、2028年では70歳以上18868人に対し39歳以下13655人と引退組の方が量的にも多くなると予測される(あくまで私の推測です)。当然、2038年ではその差は広がるばかりで、その時の歯科需要を果たして量的に支えられるのか、大きな疑問符がつく。
つまり、2018年時点、50歳以上の53803人(診療所に勤務する6割)が2040年には現役引退しているのである。すでに団塊の世代が後期高齢者に入り、益々訪問診療が求められていくにもかかわらず、その量的担い手が見つからない。さらに、歯学部のみならず、衛生士学校、技工士学校の定員割れは続いているのが現状なのである。
残念ながら、世の中がどんなに進歩したとしても、口腔内の処置をロボットが行うことはできそうもない。最後の最後まで人手で行う仕事にもかかわらず、人が手当てできない2040年を、どんな世界とするのだろう。そう遠くない時期に勝手に引退してしまう私については海よりも深くお詫びしつつ、需要と供給が逆転する歯科界が国民に対し果たす責任というものをしっかり議論する若手の台頭を期待して、筆を置きたいと思う。何年も読んでいただいた方々、誌面を提供してくれたFEED社に深く感謝申し上げる。またどこかでお会いしましょう。