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歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます 本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、 多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。
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私は歯科衛生士臨床歴15年目、IDHA国際歯科衛生士インストラクター中村恵と申します。前回、私が現在働いている医院の予防歯科の概念は『プラークコントロールを主体とした自立支援。そして長期にかけて教育・管理』というものである事と、その為には私達歯科衛生士も長期に患者さんと関わる体制作りが必要だとお伝えしました。女性は特にライフステージの変化で働ける条件が大きく異なります。変化を恐れず逆に自分が成長するチャンスと捉え、不安もありますが、わくわくしながら前進してもらいたい。その為には4つのステージがあり今回はステージ②私が結婚・出産から見えてきた事をお話ししていきます。
現在歯科衛生士の男女比率は男性は全体の0.4%と非常に低く、歯科衛生士の勤務実態調査によると、令和4年の時点で全国の歯科衛生士の養成学校に通う男子学生は95名でした。平成24年の時点では21名の男子学生が養成学校に通っていた為、年々男子学生が増えている事が分かります。しかし未だに99%以上女性が活躍している職業です。それ故に女性特有の障壁となる結婚・出産でキャリアとの板挟みに悩む、歯科衛生士は多いのではないでしょうか。歯科衛生士名簿登録数は、令和2年度には約30万人にのぼります。しかしながら実際の就業者数は約14万人にとどまっています。この事から離職中の歯科衛生士つまり『潜在歯科衛生士』が約16万人も存在することになります。
就業者数が登録者数よりも少ないという事は、離職率の高さや働きづらさを示唆しているのではないでしょうか。歯科衛生士が歯科業界に戻ってこない理由の第1位は結婚や出産・介護などの家庭事情です。私自身も2回の産休・育休を経て、現在4歳と2歳の育児をしながらの仕事をしています。そこに至るまで沢山の不安がありました。女性としては嬉しい出産そして子育てというイベントが、歯科衛生士としては今まで積んできたキャリアが途切れていく心配や自分の為に使える時間に制限がかかり、自己研鑽の時間が無くなるのではないかというジレンマがありました。何故ならば当時の私は、気になるセミナーがあれば新幹線や飛行機に乗り、海外でも足を運んでいました。そして仕事が楽しく診療後、担当患者の治療計画のディスカッションや、知識や技術の自己研鑽の時間に生きがいを感じていました。同時にIDHAの講師のチャンスもいただき、日々わくわくしてとても充実していたので、漠然と何かが奪われてしまう気持ちに近かったように感じます。
そんな私でしたが実際に出産・育児を経験してみると、家族が出来た事で当然ながら色々な制限は多くなりました。そして産後のライフスタイルの劇的な変化や、初めての育児に対する戸惑い、社会から遮断されたような孤独感に苛まれる事もありました。経験したからこそ復帰後は妊産婦に、私達歯科衛生士が伝えられる事や、揺れ動く気持ちに寄り添える事があると気づきました。例えば子育てを経験したからこそ、0歳からの口腔機能の発達を促し歯列を育て、健康な子供への成長を後押しする大切さに気づかさせられました。その為に母乳のあげ方や哺乳瓶の選択・抱っこの仕方を改めて学び、具体的に伝えられる素晴らしい機会を得たと思っています。また口腔機能の発達に大切な離乳食の与え方では、第一子の時は食物をピューレ状にして、スプーンの上にのせて赤ちゃんにあげる方法で行いました。第二子はBaby-Led Weaning(BLW) 赤ちゃん自身が固形のものを、自分の手にとって食事をする事を促すアプローチをしました。どちらが正解ではなく、親が納得した形でやれるのが一番です。自分自身が経験する事により、育児中の悩みの多い時期の心に寄り添い、何らかのアドバイスができる存在に、歯科も携われたらと心から感じました。
結婚・出産・育児を通して、人に寄り添う力・共感する力・時に理不尽にも耐える力・感情コントロール・時間管理の能力・どんなに我が子が可愛くても苦しくなる瞬間は必ずあります。それらを受け入れて受け流す力。大人同士では経験できない沢山の感情を味わいながら、育児で身に付くスキルが山ほどある事を知りました。結婚・出産は女性特有の障壁ではありません。経験を経て、人として女性として一層輝くチャンスです。結婚・出産で歯科衛生士を離れるのではなく、その先を一緒に見てみませんか。