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歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます 本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、 多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。
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私は歯科衛生士臨床歴15年目、IDHA国際歯科衛生士インストラクター中村恵と申します。前回、私が現在働いている医院の予防歯科の概念は『プラークコントロールを主体とした自立支援。そして長期にかけて教育・管理』というものであり、その為には私達歯科衛生士も長期に患者さんと関わる体制作りが必要だとお伝えしました。女性は特にライフステージの変化で働ける条件が大きく異なります。変化を恐れず逆に自分が成長できるチャンスと捉え、わくわくしながら前進してもらいたい。その為には4つのステージがあり、今回はステージ①新卒・転職時に未来に向けて考えるべき事をお話ししていきます。
私が新卒後就職する時に考えていた条件は「通勤時間が短い・給料が高い・勤務時間がどの位か」だけでした。実際にそれらの条件を満たした医院に就職してみると、基本検査はせずTBIとジェットクリーニングを一ヶ月ごとに行うのが歯科衛生士に与えられた業務でした。医院にSRPの器具はありません。今にも抜けそうな歯を「守りたい」の一心で通院し続けている患者さんに対し、これが医療と言えるのでしょうか。意味がないことをやり続け、患者さんからは「歯を守る為にありがとう」と感謝を伝えられます。医療者として心が痛まない訳がありません。私は歯科衛生士業務に向き合いたいと思い転院を考えました。
二軒目の医院では一通りの衛生士業務は携わる事ができ、仕事が楽しいと思いました。しかし担当制ではなかったので、患者さんとの信頼関係が薄く、その後の経過も追えず、自分が伝えたことに対して、患者さんの行動変容につながったのかが確認できません。そしてこの業務は、治療の合間の隙間時間に行うだけで、まるで時間稼ぎのように思いました。これではただの流れ作業であり、患者さんに自身の病態や積極的な歯周治療の必要性を理解してもらう事が出来ません。その為患者さんも「歯医者に来ていれば、病状は良くなるだろう」という感覚です。自分の健康を歯科医院任せで中々病状が安定しない患者さんに対して、本気で向き合い治してあげたいと強く思い始めました。
担当制で責任をもって歯周治療を治せる歯科衛生士になり、そして技術を知識を後輩に指導できるような自分を目指し、三軒目の現在の医院に移りました。なりたい自分像が明確になった事で、スイッチが入り昼夜問わず自己研鑽に明け暮れました。一歩ずつ進んでいく嬉しさと、応援してくれる院長・チーフを始めとした共に学ぶスタッフが居る事がとても心強く、大変さよりも楽しさが勝っていました。そんな日々の中で始めて担当した患者さん。主訴は「四ヶ月ごとに他院に通っているが、下の前歯がぐらついている」というものでした。明らかな重度歯周病患者で、オルソパントモグラフィーでも、骨吸収と縁下歯石が確認できました。患者さんは歯周病の自覚があり病状安定を目指し、四ヶ月ごとに通院していたのに正しい治療が受けられていません。ましてや悪化の一途を辿っている状況です。私が何とかしてあげたいと強い気持ちが溢れ院長に担当を願い出ました。
病因論を伝える事から始まり、現在の病状の理解その改善の為に何が必要であるか、またその他のリスクファクターについても何度も患者さんに伝え歯周治療をスタートしました。そして治療後の再評価では、歯周組織の著しい回復が認められ患者さんと手を取り合い喜んだ事は忘れられません。同時にこの患者さんとの出逢いで、私が治すのではなく、患者さんと共に進んでいくのが歯周治療なのだと教えていただきました。
2022年9月厚生労働省が発表した医療施設調査によると、全国歯科医院数は67,899件です。その中で歯科衛生士として、やりがいを持つ為の環境やシステムを兼ね備えている医院に巡り合うのは難しいかもしれません。しかしやりがいを持つ為には、まずはなりたい自分像を明確にする事が大切だと考えます。それらが整理されてくると自ずと進むべき道が見えてくるはずです。現在何か不満を抱えているなら、周りではなく自分自身と向き合ってみましょう。
わくわくする自分を目指して、今いるステージから少し矢印を動かす為に行動してみませんか。