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臨床や経営に関する著名医師によるコラム Opinion


歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます
本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、
多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。

  • ストック型予防医療の理論と実践
  • 「原点」に返り「未来」を見据える歯科医院経営
  • 自費根管治療のススメ
  • 歯髄幹細胞は歯髄に欠かせない細胞
  • ホープレスの歯に立ち向かう
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ストック型予防医療の理論と実践

FEEDNOTE No.49 掲載記事

国際カリエスマネジメントシステム ICCMS?の到来

先日(2022年11月13日)、「2026年以降に誕生する子供たちは生涯を通してう窩を作らない」という地球規模でのゴール設定し、活動を展開しているACFF (Alliance for a Cavity Free Future) 日本支部がICCMS? e-learning 日本語版研修会を開催した。
理事長 林美加子先生(大阪大学歯学部附属病院長)をはじめ、副理事長 花田信弘先生(鶴見大学名誉教授)、理事 柘植紳平先生(日本学校歯科医会副会長)、監事 桃井保子先生(鶴見大学名誉教授)が主体となり、また、新理事には辻村傑先生(神奈川県伊勢原市)、武内博朗先生(神奈川県綾瀬市)、原元信貴先生(東京都渋谷区)、天雲丈敦先生(神奈川県横浜市)が加わり、多くの臨床医と大学関係者との間で白熱したディスカッションと活発な意見交換が行われた。
まさに、臨床・研究・教育のエキスパートが一致団結した瞬間と言っても過言ではない。
まず大きくICCMS?とACFFのポリシーについてご紹介する。

一般社団法人 ACFF 日本支部
ICCMS

ICCMS?とは?

CCMS?は、International Caries Classification and Management Systemの略で、「アイシーシーエムエス」と呼びます。ICDAS(International Caries Diagnosis and Assessment System:国際う蝕診断・評価システム)というのは耳にされたことがある先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。ICDASは2005年に発表されてから17年が経った今、研究分野では主流になりつつあるう蝕診断システムであり、ICDASにう蝕管理分野を発展させたものがICCMS?である。ICDASもICCMS?もカリオロジーの世界的権威が集まって作成された。
また、ICCMS?は健康増進と歯質保存を目的として、健康アウトカムに重点を置いたシステムである。本システムでは、ICDASう蝕分類モデルの様式を用いて、う蝕の簡便な進行ステージ分類と病変活動性の評価を行い、個人に合わせた予防の観点からリスクを改善し、歯質保存的な管理計画を提供する。

ICCMS 国際う蝕分類・マネジメントシステム

ACFFのポリシー

もそも、我々ACFF日本支部が掲げている「う窩を作らない」に対し、なぜ「う蝕を作らない」ではないのか?幻想的で非現実的な活動では?と見受けられる先生方も多いのではないでしょうか。「う窩を作らない」としている理由として、う蝕病変が脱灰と再石灰化のダイナミックな挙動を示すことを強く意識した上で、「う窩」をターゲットとすることにより、世界的に実現可能なゴールを設定しており、より現実的な目標を掲げている。
またACFFの特徴として、地域ごとにチャプター(支部)を設立し、地域のう蝕の特性を正確かつ詳細に把握して、関連する団体の参加を促し、それぞれの地域が臨床的、経済的さらには心理的にも受入れやすく、継続できる方策を立てることを推進している

次回の内容

予防歯科医院のためのICCMS?の導入、意義についてご紹介する。

辻村 傑
辻村 傑 profile つじむら歯科医院グループ 総院長
1993 神奈川歯科大学 卒業
1995 つじむら歯科医院 開業
1997 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010 南カリフォルニア大学客員研究員、アンバサダー(任命大使)
2013 インディアナ大学歯周病学客員講師
2014 神奈川歯科大学 顎咬合機能回復補綴医学講座 講師
2017 IDHA: 国際歯科衛生士学会 会長就任