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臨床や経営に関する著名医師によるコラム Opinion


歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます
本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、
多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。

  • ストック型予防医療の理論と実践
  • 「原点」に返り「未来」を見据える歯科医院経営
  • 自費根管治療のススメ
  • 歯髄幹細胞は歯髄に欠かせない細胞
  • ホープレスの歯に立ち向かう
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ストック型予防医療の理論と実践

FEEDNOTE No.45 掲載記事

メディカルインタビュー実施時の席の位置関係

R.Sommer:Further studies of small group ecology,Sociometry 28:337-348,1965

向かい合う、横に並ぶ、2人で机を挟むなど、目的により位置を決定する必要がある。

  • A:時計の11時と12時で顔の向きが30度の角度になる位置
  • B:お互いの顔の角度が90度になる位置
  • C:顔が真正面に向かい合う位置

というA,B,Cの3つに設定し、2人の目的を「会話」「協働作業」「同伴作業(一緒にいるが作業は別々)」「競争」にわけ、それぞれの目的毎に被験者がどの位置を選ぶかを調べた。その結果「会話」には60%強がAの30度を選び、2割がCの向かい合いを選んだ。「協働作業」では80%強がAの30度を選んだ。「同伴作業」では約5割がCの向かい合いを、3割強がBの90度を選んだ。「競争」では約7割がCの向かい合いを、2割強がBの90度を選んだ。

図1

カウンセリング

面接では、一般的に90度の位置が推奨されます。しかし人間の距離の好みは、人によって、相手によって、提案や問題の内容によって微妙に変わるので、戦略的に応用すべきであると言えます。診療中においてはクライエントはユニットで、話し手はDrチェアーとなる場合がほとんどであるため、話し手が椅子を動かし、治療相談や保健指導、健康教育などの場面、場面でコントロールを行う様になります。

カウンセリングルーム編 コーディネーター&歯科医師

カウンセリングにおいて、Cの位置では医院理念の伝達、コンセプト説明など、クライエントへの導入の段階で使用し、医療としてのきっちりさを、しっかり伝え、クライエント理解度を伺うポジション。

Bの位置ではクライエントに対しMC(メディカルコーディネーター)が90度、歯科医師が180度に入る。口腔内を触るDrと触らないMCの役割分担となり、MCはクライエントと医院との橋渡し役となり、専門家とクライエントの“間”に位置します。

Aの位置は、診療を終え、ほっと、気が緩む瞬間、もしくは抜歯になるなど疾病に対する処置を受け止めるなどのタイミングとなります。資料を一緒に眺める位置をとり、これから一緒に治療や予防に取り組む姿勢へと導く、サポーティブなポジションとして活用します。

図2

次回は【チェアサイド編】アシスタント・歯科医師とクライエントとのポジショニングについてご説明します。

辻村 傑
辻村 傑 profile つじむら歯科医院グループ 総院長
1993 神奈川歯科大学 卒業
1995 つじむら歯科医院 開業
1997 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010 南カリフォルニア大学客員研究員、アンバサダー(任命大使)
2013 インディアナ大学歯周病学客員講師
2014 神奈川歯科大学 顎咬合機能回復補綴医学講座 講師
2017 IDHA: 国際歯科衛生士学会 会長就任