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臨床や経営に関する著名医師によるコラム Opinion


歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます
本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、
多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。

  • ストック型予防医療の理論と実践
  • 「原点」に返り「未来」を見据える歯科医院経営
  • 自費根管治療のススメ
  • 歯髄幹細胞は歯髄に欠かせない細胞
  • ホープレスの歯に立ち向かう
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ストック型予防医療の理論と実践

FEEDNOTE No.35 掲載記事

オプティマルヘルス(世代ごとの健康指数)を予防歯科に(2)

健康とは何か?

WHO(World Health Organization/世界保健機関)憲章では
『健康とは身体的にも精神的にも社会的にも完全に良好な状態をいい、単に病気がないとか病弱でないということではない。』
と謳っています。

医学的根拠に基づく日本人のオプティマル・レンジは未だ確立されていません。それぞれの年齢スコアが実年齢の7割程度であればよいという考え方もありますが、日本抗加齢医学会でも日々研究が進んでおり、現在のところ30歳の健康な男女の基準値が代用され使用されているのが現状です。

図1

●意義

日本では戦後、驚くべき勢いで平均寿命が延長しました。しかし現状を見つめると、寝たきりの介護状態の期間が長い、口腔内の状態が悪く好きなものも食べられないなど単純に寿命の延長を評価できるとは言い難い部分も垣間見えます。今、延長している寿命をより快適に過ごしていただくため健康寿命の延長を我々日本人は考えていかなければならないのではないでしょうか。

●目的

口腔内のしっかりとした検査・予防管理を行うことで、全身の健康に寄与し健康寿命を延長していくことができます。複合の生活習慣病危険因子を持つ、いわゆるメタボリック症候群の早期発見・早期治療を行い、老化やQOL(Quality of Life:日常生活における精神的・身体的・社会的・文化的・知的な満足度)の劣化について早期発見し、予防と早期治療を目指します。

最良の健康状態を示すオプティマルヘルスを保つためには検査が必要です。現在、当院でおこなっている検査は、医科・歯科それぞれ厳選された8項目で、血液医学に関して6項目を追加し、合計22項目について検査を行い皆様のオプティマルヘルスの達成のためサポートをさせていただいております。

【検査内容】

?問診
問診票に関しては、抗加齢医学会QOL共通問診票を用いております。

?検査
項目評価は設定した数値により各々5段階のスコアにて評価を行います。

図2

医科・歯科・血液内科に関しての各々レーダーチャートから必要な情報を採取し、それぞれのスコアから導き出されるオプティマルヘルスの達成率を算出。その達成率と問診票を元に、指導と治療を行っていきます。

次回は、診断に基づく指導と治療の必要性についてお話させていただきます。

辻村 傑
辻村 傑 profile つじむら歯科医院グループ 総院長
1993 神奈川歯科大学 卒業
1995 つじむら歯科医院 開業
1997 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008 神奈川歯科大学生体管理医学講座 薬理学分野大学院
2010 南カリフォルニア大学客員研究員、アンバサダー(任命大使)
2013 インディアナ大学歯周病学客員講師
2014 神奈川歯科大学 顎咬合機能回復補綴医学講座 講師
2017 IDHA: 国際歯科衛生士学会 会長就任