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歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます 本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、 多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。
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近年、日本における歯科治療では機能水と呼ばれる電解水を殺菌目的として、従来の治療法と併用する歯科医療機関が増えてきている。機能水として主に次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が用いられるが、その殺菌効果の主体は強力な活性酸素によるものとなり、この活性酸素による人体への影響を考慮に入れながら臨床応用を行わないと、DNAのメチル化などの長期使用により危険性を伴う可能性がある。
現在、機能水には、pHが強酸の物から強アルカリのものまで現在幅広く用いられているが、使用後のpHコントロールは全く行われていないと言える。予防歯科で行われる日々のメインテナンス時に、これら機能水を同一クライエントに継続使用されることを考えると、歯科医師、歯科衛生士共に抗酸化対策について考慮、対応する必要があると言える。
通常、唾液のpHは6.8~7.0の中性といわれており、次亜塩素酸ナトリウム溶液で口腔内の殺菌を行った後、口腔内は酸性やアルカリ性に偏ったままになった状態となり、通常の環境状態とはいえない。現段階では次亜塩素酸水の善玉効果としての殺菌効果に相反する、脂質過酸化反応(悪玉効果)の抑制策に対する検討が必要ではないかと考えられる。
その対応策として、当院では次亜塩素酸ナトリウム含有機能水を使用した後に、抗酸化物質を活用し、過剰な活性酸素の除去と脂質過酸化反応の停止を試みている。
まず、代表的な抗酸化酵素、抗酸化物質を挙げてみたい。
活性酸素・フリーラジカルを消去する酵素
●スーパーオキシドジスムターゼ(SOD:superoxide dismutase)スーパーオキシドを不均化させて過酸化水素と酸素に変換する酵素である。
●カタラーゼ(catalase:CAT)過酸化水素を、酸素と水に変換する酵素である。
●グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX:glutathione peroxidase)過酸化水素を、グルタチオンの存在下で水と酸化型グルタチオンを生成する。GPXはセレン(Se)を活性中心とする金属酵素である。
活性酸素・フリーラジカルを消去する物質
●ビタミンC(ascorbic acid)水溶性であるビタミンCは、スーパーオキシドやヒドロキシルラジカルを消去する。ビタミンCは酸化されたビタミンEを再生させるのに役立つ。
●ビタミンE(α-tocopherol)脂溶性であるビタミンEは、ヒドロキシルラジカルや一重項酸素を消去するとともに、連鎖的脂質過酸化反応を停止させるので脂質過酸化に対する、生体にとって最も重要な抗酸化物質である。
●カロテノイドカロテノイドは一重項酸素を消去する。β-カロテンは脂質過酸化反応で生じる脂質ペルオキシラジカルを消去する。
●ユビキノン、ユビキノール、コエンザイムQ10(キューテン)ユビキノールは、他の物質に電子を供給して、還元させる作用があり、抗酸化物質としての生理作用が最も注目されている。コエンザイムQ10は酸化されたビタミンEを再生させるのに役立つ。血液中のコエンザイムQ10の濃度は、年齢で変化しないが、組織の細胞中のコエンザイムQ10の量は、加齢と共に低下する。
この中で、歯科の臨床現場において抗酸化対策として最も導入しやすい抗酸化物質は水溶性のビタミンCとなり、自由診療によるクライエント管理を行っているT-method Instituteでは2010年より、施術時に次亜塩素酸系機能水を使用した後には、内部注水型の超音波スケーラーにてイリゲーションチップを使いビタミンCによる抗酸化対策をルーティンに実施している。
ご存知の様にビタミンCは酸性度が強いため、使用濃度に対しては充分注意する必要がある。
次回の連載では、電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance; ESR)を用いて、活性酸素の抗酸化(消去能)と臨床応用に適したビタミンC濃度について調べた結果をお伝えします。