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歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます 本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、 多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。
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私が開業したのは1990年代の半ばごろのことです。当然のように保険診療比率ほぼ100%というクリニックでスタートしました。一日の患者数は60人ちょっと。当時の保険点数の設定は今よりはまだマシでしたので、これだけの人数をこなせば、キチンと採算のとれる環境でした。開業後、トラビネジャット先生のMTA根管充填コースやペン大のマイクロサージェリーのコースなどを受講し、顕微鏡や最新の材料を診療に導入することを試みました。
治療時間は伸びてしまうし、最新の材料は高いし、スタッフや患者には苦情を言われるしで散々な結果になりました。患者さんから『治療時間が長すぎる。先生はへたくそだ』という一言をもらい、すべてがバカバカしくなりました。次の日から100%自費診療に切り替えたのを鮮明に覚えております。キチンと説明をしたところ、ほぼすべての患者さんがそのまま残ってくれました。
あれから約30年が経ちましたが、近年は、資源価格の高騰や円安の進行などを理由とする歯科材料の値上げに保険点数の引き上げがまったく追いついていません。先日、ざっくり保険診療で根管治療を行った場合の原価率を計算したところ、約140%という衝撃の数字になりました。大変難しく、大事な治療であるにもかかわらず、保険の根管治療は『医院経営を考えるとやらない方が良い治療』になっているわけです。昨今の『インプラント大流行』の流れはとても理解できます。
ただ、この『歯科医師目線由来の流行』が患者さんのニーズと合致しているとは思えません。当医院の新患待ち時間は2024年に値上げをしたにもかかわらず、10カ月を超えているためです。『自分の歯を残すためのしっかりとした根管治療をやってくれるクリニック』の受給ギャップは相変わらず大きいものと思われます。特に富裕層の患者さんは自分の健康への意識が高く、『何としても(歯根破折していても💦)自分の歯を残したい』という熱い要望を頻繁にいただきます。
では、頑張って保険の根管治療を続けていれば円高や原料安になって採算は改善してくるのでしょうか?わたしはそうは思いません。貿易収支の赤字や継続拡大しているサービス収支の赤字を考えると『日本の外貨獲得力』の衰えを実感します。経常収支は黒字ですが、日本に還流しておりません。
その一方で2020年における日本の富裕層(1億円以上の金融純資産を保有 野村総研)の人数は約270万人といわれています。この数字は、世界的に見てもアメリカの1,900万人、中国の440万人に続き第三位です。人口比でいえば中国よりも高く、日本もまだまだ捨てたものではありません。2017年の68,600件をピークに日本の歯科医院数も減少をはじめました。日本全体の人口も下がっていますが富裕層の人口は漸増するという予想も出ています。
根管治療は最初の参入障壁は高く見えますが、医者本来の知識を蓄える分野ですから、勉強をスタートするととても興味深く楽しく取り組めます。いい意味での需給ギャップのある分野に是非早期で参入されることをお勧めいたします。