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歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます 本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、 多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。
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4月の中旬から下旬にかけて、今年もAAE(米国歯内療法学会)に参加してまいりました。
自分の歯を守るための最後の砦のような治療である根管治療に対する注目度はコロナ前以上に高く、アメリカ内外の多くの企業が新技術・新機材を発表するなど、私にとって大変興味深い学会ウィークとなりました。私が初めてAAEに参加したのは1990年代半ばのことで今から30年ほど前になります。現地の盛り上がりを見て歯科医師になったことを誇りに思うとともに、『結局、根管治療は感染根管の感染源を絶てば治るんだ!』という本質を再認識し、保険診療という日本の厚労省が決めた医学的意味を持たない枠組みに捕らわれるのを止めてみようと思いました。当時、日本では『自費で根管治療を行う』という発想自体ほぼ皆無に近かったです。現在は『保険適応外の器材・材料を使ってでも患者さんの歯を救いたい』と考える先生方が少なからずいらっしゃり、隔世の感を覚えるとともに本当に嬉しく感じます。一方で、自費の根管治療にご興味はあるもののなかなか一歩が踏み出せない、というお声も聞こえてきます。このため、今回はそんな先生方のために、『自費根管治療スタートチェックリスト』を作成させていただきました。
① 顕微鏡・CTを所有している ② 顕微鏡の反射像を見て手を自由に動かすことができる ③ 患者の歯の痛みの原因を患者に的確に説明できる ④ 感染原因を特定し治療計画をたてることができる ⑤ 各ファイルの特性を理解している(ファイルの形状・材質による違い) ⑥ 超音波チップの特性を理解している(例:細いほうが小さな出力で切削できるが折れやすい) ⑦ バイオフィルムを除去できるテクニックを身に付けている ⑧ 根尖まで根管洗浄できるテクニックがある ⑨ レッジ・ガッタパーチャ・破折器具を除去できる ⑩ 外科的歯内療法ができる ⑪ スタッフが根管治療の内容を把握している
自費の根管治療を行うということは、保険診療では成し得ない長期予後の安定と成功率を成し遂げなければいけません。『技術は保険診療レベル、治療費は自費レベル』などといういい加減なことをやってしまうと、クリニックに閑古鳥が鳴いてしまいます。このため、自費治療に踏み込む際は、患者さんへの礼儀として『相当な覚悟』をもってスタートしていただきたいのです。また、一度自費診療をスタートしたら決して保険診療に戻してはいけません。クリニックの迷走ぶりを露呈し、患者さんへの見栄えが悪くなってしまうからです。
上記リストは11要件から成っておりますが、すべての要件は密接不可分に絡み合っており、どれが欠けても治療のクオリティーが心許なくなってしまいます。特に③と④は必須です!既にお気づきの方もたくさんいらっしゃると思いますが、自費クリニックをスタートして成功させる秘訣は、先生ご自身が勉強し続けるしかないのです。『あのクリニックに行けば痛みの原因が分かって治してもらえる』という患者さんの口コミは最強のマーケティングになります。先生自身のレベルを上げずに業者を使ったマーケティングツールに頼っても悪評が先走ってしまい、長期的には逆効果です。
幸いなことに私がAAEに初参加した30年前に比べて、日本国内でも自費根管治療の知識・技術を教えてくれるコース・講演会はたくさん存在します。是非正しい知識を身に付け、一本でも多くの患者さんの歯を救ってください。そして先生の技術・知識こそが最強のマーケティングツールであることを忘れないでください。