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歯科医院経営には、幅広い知識と経験が求められます 本連載企画では、歯科領域にまつわる様々な分野でご活躍中の方々に、 多彩な経験やデータ等から導き出された見解・持論をシリーズで語っていただきます。
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昨日、エストニアとジョージアでの講演を終えて帰国しました。近年はアメリカよりも欧州や中東での講演が多い私ですが、欧州で本格的に講演をするようになったのは、2015年前後で比較的最近のことなのです。なかでも大変に印象に残っているのは2019年初めのポルトガル・リスボン大学での講演でした。
当時は、自分が温めていた開発品がやっと発売開始になって少しずつ広がってきたり、北米の学会のキーノートスピーカーになったり、北米の大学で行った講演のフィードバックがよくて褒められたりと、長い下積みが報われて少しばかり驕りが生じていたころでした。
リスボン大学の講演の直前に、Journal of Endodonticsが発売になっておりましたが、『直近の論文集なんて誰も読んでいないだろう』と高をくくり、一切目を通さずに講演に臨んでしまいました。講演直前まで、初めて訪れたリスボンの街を堪能し、気分はさながら『欧州観光旅行』です。しかし…。講演本体は無事に終了しましたが、質疑応答セッションで事件発生です。なんと、数日前に出たばかりで私が未購読のJournal of Endodonticsから複数の質問が繰り出されたのです。わたしはひたすら「読んでおりません。ごめんなさい。」と素直に謝り、後日メールで回答させていただいた次第です。
正直、恥ずかしかったです。自分が何のためにリスボンに呼ばれたのか、自分のために受講料を払ってくれた参加者の先生方に申し訳がたたないではないか、と自問自答しながら謝っておりました。リスボン大学での失敗体験はあまりにも強烈でした。その後、最新の論文に目を通すのは当然のこと、常に『自分の講演内容は受講生の支払い金額に比して見劣りしないだろうか』と客観的に勘案するようになり今日に至ります。
この、『自分のやっていることに対する値段の正当性』は自費診療を展開する先生方にとっては永遠のテーマです。よくいただく質問として、 ① 自費で行った場合の治療費のプライシングの仕方 ② 値上げのタイミング が挙げられますが、わたしは自分の経験則をもとに、「とりあえず最初は保険診療の10倍の水準で値付けをし、予約の待ち時間が1か月を超えてきたところで値上げを考えるとよい」という風にお答えしています。しかし知識・技術レベルが保険レベルなのに治療費だけが『自費レベル』では患者さんは逃げて行ってしまいます。技術と知識に裏打ちされた値段をチャージする、自費のクリニックを運営し続けるためにこそ、勉強を続けることが重要になります。
でも、論文や業界紙を読み続ける、『勉強のための勉強』を継続するのは難しいかもしれません。そこで、学会や勉強会でご自分の症例を発表するなど、是非アウトプットの機会を設けてみてください。新しい知識や技術だけでなく、新しい仲間に出会うことで勉強の継続や自費クリニック継続のモチベーションが爆上がりするはずです。足元では、5月末から6月はじめの日本顕微鏡歯科学会へのご参加をご検討ください。20回記念大会ということで、講師だけでなく受講生も海外から多数お越しになります!私も大会長を務めておりますので、皆様に現地でお目にかかれるのを楽しみにしております!